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クセから分かる身体の状態や使い方
- 2022/03/14
- 治療,野球
こんにちは、京都・宇治の幸整骨院です。
野球の動きに限らず、人の動きには様々なクセがあります。
例えば、立ち方や歩き方なども人によって違いますし、座り方ですら人それぞれクセがありますよね?
その中には、正しい身体の使い方もあれば、身体に負担のかかるような、あまり良くない身体の使い方もあります。
そして、生活の中で無意識に行う動作は、その人の現在の身体にとっては自然な動きになっていることが多いです。
小さなクセにも原因がある
例えば、歩く時のつま先の向きを例に挙げてみましょう。
真っ直ぐ踏み出している人もいれば、外に開く人、内股になる人など様々です。
この歩く時のつま先の向きに関して言えば、基本的には真っ直ぐ踏み出す方が、内側と外側の筋肉がバランス良く働くので,、一般的には正しい動きだと言えます。
では、真っ直ぐ踏み出せないとどういった問題があるのでしょうか?
つま先が外側に向いている人は、歩く時に足の親指側を多く使う事になります。
逆に、内股の人は小指側を多く使う事になるわけです。
そのどちらのケースでも、内側や外側に偏った使い方をしてしまいます。
そうなると、内外どちらかの筋肉が逆側の分まで働かなくてはならなくなるので、疲労が溜まりやすくなるわけです。
そして、それが長い期間続くと、内外の張力のバランスがどんどん崩れていき、身体の歪みにも繋がってしまいます。
そして、そこで生まれた歪みが、さらに身体を正しく使いにくくしてしまう原因にもなります。
では、そもそも何故つま先の向きは歪んでしまったのでしょうか?
例えば、太ももやお尻の筋肉の内外どちらかが極端に硬くったり弱くなってしまうことで、股関節が内側や外側に捻れてしまうのも原因の1つです。
そして、このような場合につま先の向きだけを無理に真っ直ぐに治そうとしても、良い結果になることはあまりありません。
何故かと言うと、股関節とつま先までの間には、膝や足首などの関節、筋肉や靱帯などの多くの組織があり、それらのコンディションを無視して「つま先だけを真っ直ぐ」しても、根本的な改善にならないだけでなく、最悪の場合ケガの原因にもなってしまうこともあるからです。
特に、膝関節は股関節や足首と違い、捻るという動きが出来ないため、無理に捻る動きをしようとすると大変危険です。
そのため、今回の例で言えば、つま先の向きが歪んでいるからと言って、単純に「つま先だけを真っ直ぐに向けよう」とするのではなく、つま先の向きが歪んでしまっている原因を知ることが重要になってきます。
そして、さらに言えば「その原因は何故起こってしまったのか」を知ることが最も重要です。
例えば、太ももの外側が極端に硬くなってしまっていることが原因で股関節が外に捻れてしまっている場合は、まずその部分のコンディションを整える必要があります。
そして、そうする事でつま先の向きが自然と真っ直ぐになったとしましょう。
結果を見れば、他の組織へ必要以上の負担をかけずに改善出来たと言えますし、特に問題があるわけではありません。
しかし、「太ももの硬くなった筋肉をほぐしたら、つま先の向きが真っ直ぐになって良かった」で終わってしまうと、ほとんどの場合がしばらく経つと筋肉をほぐす前の状態に戻ってしまいます。
何故そうなってしまうのかと言うと、今回の場合であれば、太ももの筋肉が硬くなってしまった原因が解決されていないからです。
つまり、その原因が、本当に解決しなければならない原因であり、それを解決して初めて改善出来たのだと言えます。
しかし、その原因は人によって違い、スポーツや生活の中での慢性的な疲労によるものもあれば、特定の動作をしたことによる一時的なものなど様々です。
そして、その原因が一時的なものであれば筋肉をほぐすだけでも解決することがあります。
しかし、慢性的な場合は、生活の中で自分でも気付かないような小さなクセが原因になっていることがあります。
特に小さなクセである場合、無意識にしてしまっていることが多いので治すことが難しいです。
スポーツをしている人は特に注意が必要
今回ご紹介した例は、「つま先の向き」というシンプルなものでしたので、それ程複雑な原因がないかもしれません。
しかし、これがスポーツの中でのクセだった場合は、シンプルな原因から複雑なものまで様々です。
例えば、野球の投球動作で見てみましょう。
インステップ
高校生ぐらいまでによく見られるクセの1つが「インステップ」です。
インステップとは、踏み出しす方の足を内側(右投げの場合右側)に踏み出してしまう動作のことを言います。
では、何故インステップは良くないとされているのでしょうか?
プロ野球選手の中にもインステップで投げているピッチャーがいないわけではありません。
また、場合によってはインステップを治すことでパフォーマンスが低下してしまうこともあります。
しかし、投球のメカニズムを考えると、真っ直ぐに踏み出して投げるフォームと比べ、股関節や肩・肘への負担は大きくなります。
そのため、何か理由があるのでなければ、フォームの修正を検討してみてください。
インステップになってしまう選手の特徴
次に、インステップになってしまう選手の特徴をいくつか挙げていきます。
小中学生のお子様に特に多い特徴が、股関節が使えていなかったり、使い方を間違えてしまっているというものです。
また、その中でも多く見られる例としては、膝をメインに使って並進運動を行ってしまっているケースです。
そうなると、膝がつま先よりも前側に出るので重心がつま先側に偏ってしまいます。
そして、その状態で強くボールを投げようとすると、力のベクトルは自然と身体の前側(右投げなら三塁側)に向きます。
その結果、バランスが崩れて身体の開きが早くなり、インステップになってしまうというわけです。
しかし、これはあくまで小中学生のお子様に多い特徴というだけで、他に原因を抱えているケースもありますのでご注意ください。
では、膝で並進運動を行ってしまう選手は、何故そのような使い方をしてしまうのでしょうか?
そういった使い方をしてしまう選手の特徴として、日常生活から股関節を使っていないということが多く、そのため股関節周辺の感覚が鈍くなっており、使い方が分からなくなってしまっていることが原因だと考えられます。
また、日頃から使われていないので筋力は衰え、動かされていないので柔軟性も低下してしまっており、使いたくても使えないというお子様が多く見受けられます。
もし心当たりのある方は、一度前屈をしてみてください。
この時に、股関節ではなく胸椎など胴体部分で前屈してしまう方は、日頃から股関節を使えていない可能性があるのでご注意ください。
また、姿勢が悪く、骨盤が後傾してしまっているというのも特徴の1つで、椅子に浅く座って背凭れに凭れるクセのある方は、この傾向が強いです。
このように、インステップというクセ1つをとっても何らかの原因があることが多いです。
もちろん中にはインステップを治すだけで、全体的にパフォーマンスが上がる選手もいますので、必ずそうだというものではありません。
しかし、根本的な原因を改善せずにインステップだけを治そうとしてもなかなか上手くいかず、逆に身体の開きが早くなってしまったりなど、良くないクセが付いてしまうこともあります。
ですので、インステップにだけ囚われるのではなく、「何故そうなってしまったのか」そして「その原因は何なのか」を考えるようにしましょう。
今回は、インステップにスポットを当てて解説しましたが、他のクセでも同じ事が言えます。
嫌なクセがなかなか取れずにお困りの方は、一度当院までご相談ください。
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