ブログ
胸郭出口症候群
- 2021/06/06
- 治療
お世話になっております、幸整骨院です。
今回は、肩や腕・手の痺れや怠さの原因となることが多い、胸郭出口症候群についてご説明していきます。
症状
肩・腕・手が痺れる
指先が冷たい
肩周りがだるい
握力が極端に弱くなった
細かい作業がやりにくい
姿勢が悪く猫背
肩こり、首のこりが酷い
腕を上げると腕や手が痺れる
腕が以前よりも白っぽくなった
手や腕の静脈血管が青紫色になっている
このような症状でお悩みの方は胸郭出口症候群の可能性がありますので、お早めにお近くの病院や整骨院で受診されることをオススメします。
胸郭出口症候群とは
胸郭出口症候群とは、頸椎から出てくる上肢と肩甲骨周りの運動と感覚を司る腕神経叢という神経の束が筋肉や骨の間で圧迫、絞扼されてしまい、頸肩腕痛や首から手の先にかけて痺れを伴う疾患です。
また、神経障害とともに、血流障害によって上肢の痺れや痛み、首や肩の痛みも伴います。
圧迫される部位は大きく分けて3つあり、部位によってそれぞれ呼び方が分かれています。
1 前斜角筋と中斜角筋の間(斜角筋隙)→斜角筋症候群
首の動きに関わる斜角筋という筋肉が鎖骨に付いており、斜角筋は前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋に分かれています。
斜角筋症候群は、前斜角筋と中斜角筋の間で腕神経叢が圧迫されることで痺れや痛みといった症状を伴い、胸郭出口症候群の中でも一番多い絞扼部位だと言われています。
2 鎖骨と第一肋骨の間(肋鎖間隙)→肋鎖症候群
斜角筋隙を通った腕神経叢は、鎖骨と一番上の第一肋骨の間を通り抜けていくのですが、この部位で圧迫されたものを肋鎖症候群と言い、なで肩の女性はこの間が狭いので、胸郭出口症候群になりやすいとされています。
3 小胸筋(烏口突起停止部の後方)→小胸筋症候群(過外転症候群)
鎖骨と肋骨の間を抜けた腕神経叢は小胸筋の下を通り抜けて腕の方へ伸びて行き、この部位で絞扼されているものを小胸筋症候群と言い、この小胸筋症候群は肩を外転運動させた際に症状が強くなることから、過外転症候群とも呼ばれています
この部位での絞扼は、神経叢とともに血管も同時に圧迫してしまうため、肩よりも高い位置まで外転させた際に、手首の脈が極端に弱くなったり、脈をとることが出来なくなったりします。
このどれか、もしくは全てを総称して胸郭出口症候群と言われています。
胸郭出口症候群は、20代~50代の幅広い年齢層の方に見られ、なで肩の女性や、重労働に従事している方に多く見られる疾患です。
また、頸肋といって、胎生期の下位頸椎から出ている肋骨の遺残したものが原因になっていることもあります。
胸郭出口症候群の主な症状としては、つり革に捕まる時や洗濯物を干す時などのように、腕を挙げる動作で、肩や腕・肩甲骨周辺に痺れや痛みを感じることが多いです。
また、握力の低下や細かい作業がやりにくくなるのも症状の1つで、この場合は手の甲の骨の間がへこむ、手掌の小指側の筋肉(小指球)が痩せるなど、手内筋の萎縮が見られます。
そして、腕神経叢と共に鎖骨下動脈や鎖骨下静脈が圧迫されることも多く、鎖骨下動脈が圧迫されると、血行が悪くなり腕が白色化し痛みが生じ、静脈が圧迫されると腕や手の静脈血の戻りが悪くなるため、静脈の血管が濃い青紫色になります。
他にも、前腕尺側(肘から先の小指側)から手の小指側に沿って、疼痛や刺すような痛み、痺れなどの感覚障害を伴うのも胸郭出口症候群の症状の1つです。
胸郭出口症候群の原因
また、上記のような胸郭出口症候群の症状で当院に来られる患者様に多く見受けられる特徴が、猫背と言われる姿勢の患者様です。
猫背とは、背中が丸くなっている状態で、この状態だと頭部は前傾位にならざるを得ないため、首の前側の筋肉は縮んだ状態を維持し続けることになり、首の前側の筋肉はその状態で固まってしまいます。
また、首が前傾位に来ることで、バランスをとろうとすると肩が前方に来てしまうため、巻肩になってしまいます。
そのため、胸や肩の前の筋肉も縮んだ状態で固まってしまい、腕神経叢の通り道となっている部分を圧迫してしまうというわけです。
それ以外の姿勢の良い患者様の場合では、重たい物を運んだり持ち上げたりするような仕事をされている方が、胸郭出口症候群でお悩みになられていることが多いです。
このような方の場合ですと、肩の前側の筋肉や胸の筋肉の使いすぎによる所謂オーバーユースが原因になっており、筋疲労によって筋肉が硬化し、神経や血管を圧迫してしまっています。
改善方法や当院での治療法
改善方法としては、胸郭出口症候群は、筋肉による神経や血管の圧迫が主な原因となっていることが多いため、まずはそれらの筋肉や筋膜を緩めていく必要があります。
また、単純なストレッチでは痺れなどの不快な症状を伴うことがあるため、幸整骨院では、超音波治療器や電気治療器を用いることで、そういった不快な症状を出すことなく筋肉や筋膜の状態を改善していくことが可能です。
そして、超音波などで筋肉を緩め、神経や血管への圧迫を解消し、その状態で手技によるマッサージやストレッチを行うことで、不快感のない、より効率的なアプローチが可能になってきます。
また、根本的な原因が姿勢の悪さとなっている方の場合は、各患者様に適した姿勢改善のプログラムを作成し、弱ってしまっている筋肉の強化や、正しい姿勢を維持するために必要な筋肉の強化もお手伝いしております。
そうすることで、胸郭出口症候群の再発を予防するだけでなく、腰痛や肩こり、膝の痛みなどの様々な疾患への予防や改善にも繋がり、今後の患者様の痛みのない快適な生活へと繋がっていくと考えております。
胸郭出口症候群でお悩みの方や、上記のような症状でお悩みの方は、是非一度京都宇治市の幸整骨院までご相談下さい。